ヌメ革二つ折り財布、制作レポート
こんにちは、頑固オヤジ店長 久保です!
栃木レザーのヌメ革で作る、革財布シリーズ。バリエーションを増やそうと、最近ずーっと試作品制作に追われていました。型紙を作っては試作品を作り、細かい部分を修正して、完成形まで仕上げる、、、最近作っていたサンプルの制作がひと段落したので、先日ご注文いただいたヌメ革の二つ折り財布、制作に取り掛かり始めました。今回は「ヌメ革二つ折り財布、制作レポート」をお届けしたいと思います。
ヌメ革二つ折り財布の制作工程
まずはヌメ革二つ折り財布の制作工程のご説明から。大きく分けて4つの工程で制作していきます。
【その1】革の裁断~各パーツの切り出し
最初にご紹介するのはこちら、ヌメ革財布制作の一番目の工程、革の裁断、パーツの切り出しです。型紙に合わせて一枚革に線を引き、パーツごとに切り出していきます。できたのがコチラの革パーツです。
写真の上、財布本体のパーツ、胴部分と札入れのパネルです。左側がカード入れを構成するパーツで、右側が小銭入れを構成するパーツ。
組み合わせると、まあこんな具合に組みあがっていくわけです。
【その2】革パーツの下準備
料理でいうと、下味、味付けをしていく工程、革の各パーツの下準備をしていきたいと思います。財布本体パーツに縫い穴を軽く開けておきます。
次にカード入れを構成するパーツたちのコバ(革の切断面)を磨いて、ネンを引いて、縫い穴を開けるガイドラインをネジネンで入れておきました。
小銭入れの構成パーツ。小銭入れのかぶせ(表生地、裏生地ともに)に縫い穴を開けて、小銭入れのマチ部分を縫い合わせます。
【その3】各パーツの組み上げ
下準備が終わったので、それぞれ本体胴部分、小銭入れ部分、カード入れ部分ごとに組み上げていきました。
まだ、それぞれ先に仕込みがあるので接着はまだ先ですけど、カード入れ、小銭入れがそれぞれこんな具合に組みあがっていくわけです。
組みあがったものを本体胴と合わせていくとこんな感じ♪
【その4】本体の縫い合わせ
カード入れ部分、小銭入れ部分の下準備が整ったので、いよいよ本体の縫い合わせに入っていきます!まずは札入れ(前側)パーツにカード入れ、小銭入れを接着。菱目打ちで外周に縫い穴を開けておきます。
今あけた縫い穴を、菱切りを使って貫通させていきました。
さて、二つ折り財布の内側部分がこれで全て整いましたね。
いよいよ大詰め、さっき仕上げた内側部分と二つ折り財布の本体胴部分を接着して、縫い合わせていきたいと思います!
貼り合わせた財布本体の縫い合わせ。相当な厚みがあるので、表裏ともに縫い穴を貫通させてはいるものの、縫い穴を合わせながら縫っていくのには熟練の技術が必要。丸ギリを使って、指の間隔を頼りに縫い穴を貫通させていきます。
ヌメ革二つ折り財布、完成!!
全周を縫い終わり、最後の仕上げ、財布本体のコバ(革の切断面)を磨き上げて完成です!
磨き上げたコバ面がこちら。
シンプルな仕立ての折り財布、手縫いによる味のあるステッチとヌメ革の表情豊かな風合いが引き立ちます。
使っていくほどに見事な飴色に変化してくれるでしょう。存分にご堪能くださいね。
昨日発送させていただきましたので、お届けまで今しばらくお待ちくださいね。
それではまた♪