こんにちは、頑固オヤジ店長 久保です!
二つ折り革財布といえば、うちのお店で人気の高いミドル財布という印象が最近強くなってますが、二つ折りの革財布の定番といえば、札入れが浅めで、お尻のポケットにすっぽり入るタイプではないでしょうか。男性には馴染の深いタイプの財布ですよね。最近また、ショートタイプの二つ折り革財布のご注文が増えてきたということで、今回のブログは「オーダーメイドで手作りする、二つ折り革財布」と題して、二つ折り革財布の制作模様をご紹介していきたいと思います。

二つ折り財布の小銭入れ制作

はい、それでは早速二つ折り革財布の制作の模様です。小銭入れの制作からご紹介していきます。ミドル財布と違い、ショートタイプの二つ折り革財布の小銭入れはスクエアな形で、上から小銭の出し入れをする、昔ながらのかぶせタイプです。まずはかぶせ部分のコバ磨きから。

かぶせのコバ磨きが終わったら、かぶせの周りをぐるっと一周縫い合わせて、小銭入れの土台に貼り合わせます。貼り合わせた状態で縫い穴を貫通させて、最後まで縫い合わせていきます。

次に小銭入れの胴部分を作ります。小銭入れ胴の間口部分に玉ネンで「ネン」を入れていきます。

ネンを入れたら、トコノールを塗って仕上げ磨きをしておきます。裏側の両端をカッターで荒らして、ボンド付け。

小銭入れのマチ部分を両端に貼り合わせます。

貼り合わせたら、ヤスリで整えた状態のコバを水磨きしておきます。

小銭入れ胴とマチを縫い合わせていきます。縫い合わせが終わったら、コバ面をトコノールで仕上げ磨きです。

マチの付いた小銭入れ胴を、先に作っておいた土台部分に貼り合わせて、圧着しているところ。

貼り合わせた小銭入れの左側面に、菱目打ちで縫い穴をあけます。

縫い合わせたら、水磨き・トコノール磨きで仕上げ磨きをしていきます。

カード入れと小銭入れの組み立て

小銭入れ部分が完成したので、カード入れパネルの右側に小銭入れを貼り合わせます。

貼り合わせた小銭入れの上側を縫い合わせて、コバ磨きをしておきます。

本体胴とカード入れ側の縫い合わせ

ついに大詰め。最終段階は本体胴とカード入れ・小銭入れパネルの組み立てなんですが、2段階に分けて組み立てていきます。まずはカード入れ側から、本体胴に貼り合わせ。

接着したほう、カード入れ側だけ、コバを磨いておきます。

コバ磨き(中磨きまで)が終わったら、丸ギリで穴を通しながら手縫いで縫い合わせていきます。

本体と小銭入れ側の縫い合わせ

カード入れ側の縫い合わせが終わったら、いよいよ小銭入れ側の縫い合わせです。先ほどと同じ要領で本体胴と小銭入れ側をボンドで接着します。

貼り合わせが終わったら、しっかりと圧着。小銭入れ側は一番厚みが出るし、コバ面の仕上がりをよくする点でも、この「圧着」という作業はかなり重要なのです。

圧着後、コバ面を入念に整えて、水磨きしておきます。

完成に近づいてきました!最後の縫い作業。この小銭入れ側が財布制作の中でも、一番難しい工程かもしれませんね、、、丸ギリの入れる角度、丸ギリ先端が通ってくるのを指先の感触で感じながら調整して、針を通して縫い絞めていく。この技は革製品を手縫いで作る際、ものすごく重要な技です。ボクシングにおいての左、ジャブと同じくらいでしょうね、間違いなく。

コバの仕上げ

縫い作業が全て完了しました!中磨きを終わらせた状態のコバ面です。水磨きまでの中磨き段階、この状態でもナチュラルな感じでいいんですけど、うちのお店では紅色をコバ面に塗ったうえで、仕上げ磨きをしています。

二つ折り財布、完成!

色入れして、仕上げ磨きをしました!これで、二つ折り革財布の完成です!肌色の優しい風合いのヌメ革を紅色のコバがビシッと引き締めてくれます。

最後に

さあ、「オーダーメイドで手作りする、二つ折り革財布」いかがでしたか?手作りした二つ折り革財布、構造自体は定番中の定番ですが、味わい深い手縫いのステッチ、手磨き仕上げのスムースなコバ面、カード入れを飾る「ネン」など、手にした瞬間に「特別感」「所有欲」を満たしてくれる、格別な二つ折り革財布に仕上げます。ご注文を受けてから0からお作りする、オーダーメイドの手作り財布、あなたもぜひご体験ください!


最後まで読んでいただきありがとうございます!それではまた♪