こんにちは、頑固オヤジ店長 久保です!
男にとっての財布っていうものは、人それぞれ色々な形があります。財布を作る仕事柄、いろんなお客様のご要望を聞く機会が多いんですが、「へ~こんな使い方をしてるんだ~」と勉強になることがしばしば。なかでも小銭入れは別に持つから、札とカードだけ入ればいいんだよね、という方も結構いらっしゃるんですよねぇ。そこで商品化したのが「マネークリップ」。「札ばさみ」とも呼ばれる、お札をパチンと挟み込むタイプのスリムな革財布です。今回は「栃木レザーヌメ革仕立てのマネークリップ、制作とカスタム」と題して制作風景を写真で見てもらいながらご紹介していきたいと思います!

マネークリップの制作風景

スリムでシンプルな形のマネークリップ。うちのお店ではビシッと仕上げるべく、栃木レザーの極上ヌメ革を使って仕立てています。それでは早速マネークリップの制作風景をご覧ください!

カード入れ部分の制作

最初にマネークリップの全革パーツを裁断後、カード入れ部分の制作からスタート。コバ磨き、ネン入れを終わらせた後にカード入れのパーツを貼り合わせながら縫い付けていきます。

カードが3枚入るように作っていきます。接着したあと、カード入れの下の部分を縫い付けていきます。

本体と組み上げ準備

カード入れ部分が出来上がったので、次は本体と組み上げの準備。縫い合わせる前にそれぞれ、縫い穴をあけていきます。こちらはマネークリップ本体に縫い穴のガイドラインを引いているところ。

縫い線に合わせて、菱目打ちで縫い穴を作り、丸ギリで貫通させていきます。貼り合わせる全てのパーツの縫い穴を貫通させます。

縫い穴をあけた状態がこちら。

革用のボンドを接着面に塗って貼り合わせていきます。

後でコバを磨くんですが、できるだけピッタリ張り合わせたいので、端をキレイに合わせながら接着していきます。

こんな感じで、札を抑えるクリップ金具を取り付けます。

コバ磨き

縫い合わせる前に、コバ磨きをします。革包丁で整えてから水磨きによるコバ磨きです。

本体の縫い合わせ

中粗段階のコバ磨きが終わったら、本体の縫い合わせに入ります。一針一針丹精込めて、手縫いで縫い絞めていきます。

この時点で、コバに色を入れて仕上げ磨き。それが終わったらマネークリップの金具を接着して、金具を縫い絞めて固定していきます。

マネークリップが完成!

ついに、栃木レザーヌメ革仕立てのマネークリップが完成です!ペタンとスリムながら、コバ色もビシッと引き締まったマネークリップが出来上がりました。

右側にカード入れを3つ、左側にポケットを1つ設置した構造。お札、カード、ちょっとしたキップやチケットなどを一緒に入れておける、ミニマムなマネークリップです。

カスタム例

先日お客様からマネークリップのカスタム依頼を受けて作ったのがこちら。

カード入れを左側に変更して、収納ポケットをこんな感じに変更。お札の端を挟んだり、領収書なんかを、サッと入れておくのにやりやすいのでこの形で作ってほしい、とのことでした。

最後に

さあ、「栃木レザーヌメ革仕立てのマネークリップ、制作とカスタム」いかがでしたか?シンプルな作りですが、手縫いによる味のあるステッチ、手磨きによるコバ仕上げ、経年変化が魅力的な栃木レザーの極上ヌメ革の風合いなど、手にすると思わず「にやり」とにやけてしまう、「特別感」あるマネークリップです!お札とカードだけ入ればいいよ、というコンパクトな財布をお探しのあなた。是非一度ご体験くださいませ♪

最後まで読んでいただきありがとうございます!それではまた♪