こんにちは、頑固オヤジ店主 久保です!
うちのお店のお客様から、本革のトートバッグを作ってほしい友人がいるんだけど、とご紹介いただきました。

男性のお客様
新造のトートバッグを相談したい件、職場の友人に話しましたところ、小職よりも更に積極的と言いましょうか、是非とも発注致したく、素材感等を久保店長様に御指導を受けながら決めて行きたいとのことです。

ご紹介のお客様から直接ご連絡いただきまして、うちの作業場で数種類の革を見ていただいて、およそのデザインを打ち合わせして、制作させていただくことになりました。今回のブログでは「ヌメ革トートバッグをオーダーメイドで制作」と題して、ヌメ革トートバッグが出来上がる過程をご紹介したいと思います!

型紙を制作してからの打ち合わせ

まずはご希望いただいたトートバッグの型紙を制作したうえで打ち合わせ。

女性のお客様
ひとつ気になったのですが、ご提示頂いた革を見る限り、どっしりとした重さがありそうなのですが、やはりあの大きさのトートになりますと重さはある程度我慢しなければならないでしょうか?
頑固オヤジ店長
重さを抑えたいということでしたら、お好みに合わせて革の厚みを変えて制作いたします。大きめのトートバッグですから重さはある程度出ると思いますが、革の厚みを抑えれば重さも抑えられると思いますよ!

A4の書類、ノートパソコンがスッポリ入るくらいのトートバッグをヌメ革で仕立てるとなると、自立するほどの革の厚み、ハリ感が必要だし、革の厚みがないと出来上がりの高級感が損なわれる恐れがあるから、できるだけ革厚は欲しいところなんですが、今回ご依頼いただいたお客様は女性のお客様で、できるだけ重さを抑えたい、とのこと。革厚をかなり薄くして芯材を貼って作ろうか、どうしようか、、、、悩んだ挙句、10年20年と長くご愛用していただくうえでは やはり極力、一枚革仕立てで作ったほうがいいだろう、と本体の革厚1.5mm、持ち手など付属の革厚3mmで制作することにしました。

ヌメ革トートバッグ制作工程1~革パーツの下準備

それでは早速ヌメ革トートバッグの制作に入ります。型紙にあわせて裁断した革パーツの下準備から。革財布と違い、切り出した革パーツ一つ一つが大きい、、、本体胴(表裏)、フロントポケットを コバを磨いたり、縫い合わせたり。本組み上げの前に下準備を進めました。

女性のお客様
一部修正をお願いしたくご連絡致しました。まだ間に合いますでしょうか。
【修正箇所】
持ち手と肩がけの紐の長さを変更したい。私としてはバックは肩がけが基本なので、持ち手を肩がけ用にして、後付けの紐は斜めがけができるようにしたいです。持ち手46センチ、ショルダー86センチが希望です。

とのこと、持ち手長さを46cmで裁断、芯材を入れて縫い合わせて制作しました。

持ち手縫い込み部分、昔ながらの仕立てで手縫いで制作しました。

こちらは トートバッグの間口内側の補強パーツ、内ポケット部分。刻印を入れたり、マグネットボタンを付けたり先にやっておく作業を施した状態です。

底マチ、横マチの革パーツも先に縫い合わせておきます。底部分は1.5mmのヌメ革を表裏2枚重ねて強度を持たせています。

ヌメ革トートバッグ制作工程2~持ち手、内ポケットの縫い合わせ

それぞれの革パーツの準備が終わったので、次の第2工程に入ります。持て、裏それぞれの本体に持ち手、内ポケットを取り付けていきます。

内ポケットはトートバッグの間口補強パーツに縫い込んでいこうと思います。

革用ボンドで接着して、手縫いで縫い合わせました。

ヌメ革トートバッグ制作工程3~本体縫い合わせ

さて、いよいよトートバッグ本体の縫い合わせに入っていきます。今回のトートバッグ、ハリのある栃木レザーの極上ヌメ革を採用して 本体革厚1.5mmにしていることもあり、縫い合わせ部分に玉縁を挟んで仕上げたいと思います。先に玉縁を準備しました。

準備した玉縁を本体胴 表裏それぞれに貼り合わせ、菱目打ちで縫い穴をあけておきます。

これまで準備してきた、本体胴、マチ部分をそれぞれ張り合わせて、縫い合わせていきたいと思います。大きいサイズのトートバッグ、通常のステッチングポニーには挟むことができないので、今回はブランチャードのスティッチングクランプを使って 手縫いで縫い合わせていきます。

縫い合わせが終わりました~!やっとトートバッグ本体が出来上がってたので、次はショルダーベルトを作っていきます。

ヌメ革トートバッグ制作工程4~ショルダーベルト

さて、次は制作第4工程、ショルダーベルトの制作です。ショルダー86センチが希望、とのことでしたので、3mm厚のベルトを出来上がり寸法86cmで裁断。うちのお店のヌメ革は、化粧をしていない 天然素材そのもののナチュラルなヌメ革なので、ショルダーベルトの金具もメッキものを使わず、真鍮無垢のナスカンを使って制作しました。また、本体重量をかなり軽減した仕立てにはしましたが、さらに肩への負担をかけないように、肩当てパッドも一緒に制作しました。

ヌメ革トートバッグ制作最終工程~コバ磨きと本体裏返し

ヌメ革トートバッグ制作、いよいよ最終工程ですねぇ。トートバッグの縫い合わせが終わった状態のコバを磨き上げていきます。革包丁を使って面取り、整えたコバ面にヤスリ掛け、水磨き。さらにヤスリ掛けして水磨き、仕上げ剤で磨き込んだ状態がこちら。

通常よりも大きめのトートバッグ、磨くコバ面積もかなりのもの。入念に磨き上げています!

磨きが終わったら、いよいよ仕上げの本体裏返し。玉縁を挟んだ内縫い仕立てなので、最終的に 縫い終わった状態のトートバッグ本体を裏返し作業です。本体はヌメ革1.5mmを貼り合わせているので、合わせて3mm厚。表返した時に、傷、シワが極力入らないように、慎重に裏返していきました。

ヌメ革トートバッグ、完成!

ついにヌメ革トートバッグの完成です!!ショルダーベルト付属です♪

持ち手もしっかりした革厚とグリップ感のある、昔ながらの仕立てで仕上げました。

底部分には、下に置いたりするときに汚れ、傷を軽減してくれる底鋲を取り付けています。長く愛用したいバッグには必須の装備ですよね。

手縫いによる、味のあるステッチ。本体に貼りを持たせる玉縁。横のマチ部分開閉可能なホック留め式マチ。

内側にはスマートフォン、通帳などの貴重品をサッと入れるのに便利なポケットを一つ、ボールペンを差し込んで置けるペンホルダーを配置しました♪

完成したトートバッグをお届けした、お客様からメッセージをいただきました。

女性のお客様
バッグの仕上がり、最高です!!
早速使っておりますが、持ち手や肩がけ部分、ポケットなど使い勝手が良いです~♪
また、重さについても思っていたより軽く仕上がっていて助かりました。
永く使っていきたいので、今後メンテナンス等も、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました♪

最後に

さあ「ヌメ革トートバッグをオーダーメイドで制作」いかがでしたか?うちのお店で毎日制作しているような革財布、。革小物だけじゃなく、革のカバンもご要望いただければ お作りいたします。「探してるけど、なかなかないんだよねぇ」「世界に一つしかない革のバッグが欲しい」などなど、あなただけのヌメ革のバッグをお作りします!!ひとまずお気軽にご相談くださいね♪

最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた♪