「一生使える革の手帳カバーを作ってほしい」
こんばんは、頑固オヤジ店長久保です♪
「一生使える革の手帳カバーを作ってほしい」
そんなご依頼から、この栃木レザーの手帳カバーは生まれました。
毎年使うものだから
「毎年、この形の手帳を買い替えて使っているんだけど、ペン差しの部分がすぐちぎれちゃうんだよねぇ、、、」
「せっかく毎年同じサイズの手帳使うんだったら、ヌメ革でこんなような手帳カバー作れないかなぁ。」
ヌメ革の財布をこよなく愛するお客様のご相談から、この「一生使える革の手帳カバー」の構想が始まりました。
素材は栃木レザーに決定
以前、ほかの客様のご依頼で制作した栃木レザーのIDケース。
打ち合わせしながらのデザイン決め
まずは一番大事なデザイン決め。打ち合わせをしながら決めていきましたが、お客様のご要望をまとめたのがこちら。
- 自分の手帳がぴったり入る
- 自分のボールペンをさして手帳と重ならない
- サッと開閉がしやすい
手帳カバーの制作スタート
最初に、手帳カバーをもとに型紙を作りました。ここで気を遣うのが素材の違い。
今までお使いの手帳カバーは、薄い素材でしかもミシン縫い。端ギリギリに縫製がかけてある、、、
今回使用するのは分厚い栃木レザー。しかも手縫いでステッチを入れていくわけですからね。さらには最大で4枚重ねて縫う箇所(ペン差しの部分)もあるし、、、
そうなると縫い目を端から3.5㎜に入れたいとすると元の手帳よりも7㎜づつは大きく切り出さないといけないか。
それともう一つ。手帳カバーの内側にボールペンをさして、手帳と重ならないようにするには、手帳よりペン差し分だけ(2cm)長く切り出さないとかぁ。
ブツブツ考えながら、それぞれの革パーツを切り出したのがコチラです。
サッと開け閉めがしやすく、デザイン上のワンポイントになるように大きめのコンチョを採用しました!
革のパーツの下準備
さあ、切り出した革パーツ、実際組み上げる前にコバを磨いていきます。
まずは、2種類の紙やすりで粗い部分を磨き落としてから、ふのりを塗って布で磨き上げていきましょうか。
それぞれ、革パーツの磨きが終わったところで、玉ネンでネンを入れていきます。
ネン入れが終わったら、最終的にワックスで磨いて下準備が終了ですね!
さあ、これから下準備の終わったパーツを組み上げていくわけですが、おっとその前に。
うちのお店、「メンズバッグ専門店ガイア2096」のロゴを刻印したレザータグを先に縫い付けておきます。
仮置きしてみた状態がコチラ。ペン差しの下にはちょっとしたメモなんかをさしておけるポケットを付けたいと思います♪
表側はこんな感じです。線を入れた内側に手帳が入るので、線の上に手縫いのステッチを入れていく予定。
こちらは大きめのコンチョ。革ひもをサッと巻いて留めるボタンの役割になっています。カッコいい~!
組み上げと手縫い
ついに、革パーツの組み上げと手縫いの工程です!
先に縫い合わせる革パーツを本体に接着、手縫いで縫い合わせていきました。
縫い合わせが終わったら、内側のポケットをボンドで接着。これで全パーツが組み上がりました!
全革パーツが重ね合わさった状態で、ついに手帳カバー本体のコバを磨いていきます。紙やすり、ふのり&布磨き、これを何度も繰り返し、ついにここまでできました!!
手縫い、最終工程
手帳カバー制作も、ついに最終工程です!外周、端から3.5㎜にネジネンで縫い線を引いていきます。裏側にも引いておきましょう。
縫い線に合わせて、菱目打ちで縫い穴を開けていきます。革を合わせて2~3枚、厚さにして4㎜もありますからねぇ、、、
縫い穴が貫通したら、後はひたすら手縫いするだけです!!革の手縫いになくてはならない、レーシングポニーを使って、手縫い作業を進めていきました。
一生使える革の手帳カバーが完成!
ついに、「一生使える革の手帳カバー」が完成しました!!ステッチが入ると雰囲気がガラリと変わりますねぇ。手縫いのステッチって本当に味が出るといいますか、優しい仕上がりになるんですよね~♪
裏側がこんな感じ。仕事で毎日使う手帳カバーということでしたので、経年変化が楽しみですねぇ♪
内側はこんな仕上がりです。
2週間くらいお時間いただいての制作でした。お待たせしてしまいましたが、これからお気に入りの相棒として、一生ご愛用いただければ嬉しいです♪
ほつれなんかが出たり、不具合が出てきたときはお気兼ねなくご連絡くださいね。
修理・補修などもやっていますから。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それではまた♪